イドアズ前提ジェイアズ(ジェとアズしか出ません)箱に閉じ込められたジェとアズ#小説続きを読む ジェイドは廊下を歩いていた。授業が終わった後、モストロ・ラウンジが始まるまでの間にアズールからの頼まれごとを済まそうとしていたのだ。アズールが引き受けた依頼に必要な情報を集めるため、数人の生徒から話を聞くというジェイドにとっては簡単なもの。とはいえ、相手の空き時間に捕まえないといけないので早めに片付けておこうと思ったのだ。それにアズールの予想より早く対応すれば、もしかしたらジェイドのほんの些細な要求をのんでくれるかもしれない。お前ならそれくらいできて当たり前と言われて断られても、それはそれでジェイドにとっては満足感が得られる。 しばらく進んだところでアズールと出会った。ボードゲーム部へ顔を出すところだろうか。「ジェイド、ちょうど良かった。今忙しいですか?」「おやおや、あなたのわがままを叶えようと献身的に働くウツボに何か御用でしょうか」「本当によく回る口ですね。少し伝達事項が……」 アズールの言葉に耳を傾けていた、そのはずなのだが。 とある狭い箱の中、アズールとジェイドは至近距離で向き合っていた。「!?……ジェイド」「えぇ、アズール。これが噂の箱、ですね。こんなに狭いものとは」 NRCは『狭い箱』の魔法現象が発生しているところだった。いきなり狭い箱の中に閉じ込められ、どんな手段を使っても脱出できない。ただ時間経過のみが唯一の生還方法である。数分から1時間程度なので、いきなり閉じ込められたとしても落ち着いて待っていればそのうち解放される。一度発生すると数日間はその近辺でも起きることから、生徒へと冷静に対処するようにと通達が来ていた。「ここまで狭いとは思いませんでした。しばらくは出られませんからそれまでの辛抱ですね」「辛抱?僕たちにとっては落ち着く狭さでは?」「今日中にやりたいことがまだまだあるんですよ!こんなところで時間をロスしている場合ではないというのに」 いつでも全力でやりたいことを全て叶えようとする強欲なアズール。そんな彼をそばで手伝いその姿を見ることはジェイドにとって何より魅力的なことではある。だが、今は何もすることができない。だったら今は二人でできることをしたい。「……でしたら今は忠実で献身的なウツボにお付き合いいただけませんか」 そういうとジェイドはアズールの体を抱きしめた。正面にあるアズールの髪へ顔を埋め、彼の香りを堪能する。ふわふわとした髪の感触も心地よい。「はぁ、いいでしょう。僕は次の企画案について考えることにします」 そういうとアズールはジェイドの背に手を回し、ゆっくりと上下に動かし始めた。海にいたころから少しずつアズールへの接触を増やしていき、今では抱きしめることもできるようになった。次のフェーズとしてアズールからの接触を増やそうとしている。されるがままだと考え事を邪魔されると学習したアズールは背中や頭などをなでる程度であれば全く抵抗を感じないようになってきている。そろそろ頬や顎を撫でてもらってもいいかもしれない。 ジェイドは頭をアズールの首元まで下げ、顔を首へ向けると軽く唇を触れさせる。制服では接触できる範囲が狭いが今は仕方がない。さすがに首元をくつろげることは許してくれないだろう。抱きしめる、からは逸脱した行為だが、ジェイドのどこが触れているのかは気づいていないので問題ない。 背中で規則的に動いていたアズールの指が文字のような形を描き始めている。何か思いついたらしい。後で共有してもらうことが楽しみだ。あともう少し堪能したい、そう思った時。 気づけば廊下に立っていた。残念、もう終わってしまった。「おや、案外と短いものですね」「ラウンジが終わったら僕の部屋へ来てください」「先ほど考えていたことですか?フロイドも連れて行きましょうか」「いえ、お前だけで」「構いませんが……何かありましたか?」 アズールは少し言いよどむ様子を見せた。「先ほどの……続きです」「先ほどの?」「どうせ時間が短いだとか言ってまた接触する時間をとるつもりでしょう。予習復習をしている時間なら構いませんからその間に済ませてください」 まさかアズールから提案があるとは。確かにジェイドはもう少し堪能したいと思ったが、今はまだ追加でお願いできる状態ではないと感じていたからだ。「ふふ、ありがとうございます。承知いたしました」 ジェイドの返答を確認すると、アズールは踵を返して歩き出した。ジェイドもまた予定通りのお仕事をこなすために歩き出したのだった。畳む twst 2025/03/30(Sun)
箱に閉じ込められたジェとアズ
#小説
ジェイドは廊下を歩いていた。授業が終わった後、モストロ・ラウンジが始まるまでの間にアズールからの頼まれごとを済まそうとしていたのだ。アズールが引き受けた依頼に必要な情報を集めるため、数人の生徒から話を聞くというジェイドにとっては簡単なもの。とはいえ、相手の空き時間に捕まえないといけないので早めに片付けておこうと思ったのだ。それにアズールの予想より早く対応すれば、もしかしたらジェイドのほんの些細な要求をのんでくれるかもしれない。お前ならそれくらいできて当たり前と言われて断られても、それはそれでジェイドにとっては満足感が得られる。
しばらく進んだところでアズールと出会った。ボードゲーム部へ顔を出すところだろうか。
「ジェイド、ちょうど良かった。今忙しいですか?」
「おやおや、あなたのわがままを叶えようと献身的に働くウツボに何か御用でしょうか」
「本当によく回る口ですね。少し伝達事項が……」
アズールの言葉に耳を傾けていた、そのはずなのだが。
とある狭い箱の中、アズールとジェイドは至近距離で向き合っていた。
「!?……ジェイド」
「えぇ、アズール。これが噂の箱、ですね。こんなに狭いものとは」
NRCは『狭い箱』の魔法現象が発生しているところだった。いきなり狭い箱の中に閉じ込められ、どんな手段を使っても脱出できない。ただ時間経過のみが唯一の生還方法である。数分から1時間程度なので、いきなり閉じ込められたとしても落ち着いて待っていればそのうち解放される。一度発生すると数日間はその近辺でも起きることから、生徒へと冷静に対処するようにと通達が来ていた。
「ここまで狭いとは思いませんでした。しばらくは出られませんからそれまでの辛抱ですね」
「辛抱?僕たちにとっては落ち着く狭さでは?」
「今日中にやりたいことがまだまだあるんですよ!こんなところで時間をロスしている場合ではないというのに」
いつでも全力でやりたいことを全て叶えようとする強欲なアズール。そんな彼をそばで手伝いその姿を見ることはジェイドにとって何より魅力的なことではある。だが、今は何もすることができない。だったら今は二人でできることをしたい。
「……でしたら今は忠実で献身的なウツボにお付き合いいただけませんか」
そういうとジェイドはアズールの体を抱きしめた。正面にあるアズールの髪へ顔を埋め、彼の香りを堪能する。ふわふわとした髪の感触も心地よい。
「はぁ、いいでしょう。僕は次の企画案について考えることにします」
そういうとアズールはジェイドの背に手を回し、ゆっくりと上下に動かし始めた。海にいたころから少しずつアズールへの接触を増やしていき、今では抱きしめることもできるようになった。次のフェーズとしてアズールからの接触を増やそうとしている。されるがままだと考え事を邪魔されると学習したアズールは背中や頭などをなでる程度であれば全く抵抗を感じないようになってきている。そろそろ頬や顎を撫でてもらってもいいかもしれない。
ジェイドは頭をアズールの首元まで下げ、顔を首へ向けると軽く唇を触れさせる。制服では接触できる範囲が狭いが今は仕方がない。さすがに首元をくつろげることは許してくれないだろう。抱きしめる、からは逸脱した行為だが、ジェイドのどこが触れているのかは気づいていないので問題ない。
背中で規則的に動いていたアズールの指が文字のような形を描き始めている。何か思いついたらしい。後で共有してもらうことが楽しみだ。あともう少し堪能したい、そう思った時。
気づけば廊下に立っていた。残念、もう終わってしまった。
「おや、案外と短いものですね」
「ラウンジが終わったら僕の部屋へ来てください」
「先ほど考えていたことですか?フロイドも連れて行きましょうか」
「いえ、お前だけで」
「構いませんが……何かありましたか?」
アズールは少し言いよどむ様子を見せた。
「先ほどの……続きです」
「先ほどの?」
「どうせ時間が短いだとか言ってまた接触する時間をとるつもりでしょう。予習復習をしている時間なら構いませんからその間に済ませてください」
まさかアズールから提案があるとは。確かにジェイドはもう少し堪能したいと思ったが、今はまだ追加でお願いできる状態ではないと感じていたからだ。
「ふふ、ありがとうございます。承知いたしました」
ジェイドの返答を確認すると、アズールは踵を返して歩き出した。ジェイドもまた予定通りのお仕事をこなすために歩き出したのだった。畳む